家族信託と成年後見制度の違い

後見制度とは

家族信託と似た制度に成年後見制度というものがあります。

成年後見制度とは、判断能力が不十分なため契約や金額の大きな売買などの行為を行えない人の代わりに、後見人が代理し、必要な契約等を締結したり財産を管理する制度です。

認知症によって銀行口座などが締結されてしまった場合の対策としても、この成年後見の制度を使用することがあります。

しかし、家族信託と成年後見制度は似ているようで大きく違う点がいくつかあります。

家族信託と成年後見制度の違い

①誰が財産を管理するか

家族信託は文字通り家族に財産を託すので、
託された家族によって自由に財産の管理をすることができます。

一方で成年後見制度は、裁判所などが選んだ専門家が財産を管理することが多く、
家族の意見もヒアリングしながら決定されるものの、
最終的な財産管理の決定は成年後見人に選ばれた専門家が
家庭裁判所と相談しながら決定することになります。
家族信託の方が財産を管理する人物を決定しやすい制度となります。

②財産管理の自由度

家族信託は、託された財産をどのように管理(使用)するかは、
信託契約の内容によって自由に決められるので、
家族内でしっかりと話し合いさえされていれば
家族の意思を組んだ自由な決定ができると言えます。
さらにその決定に家庭裁判所の許可を必要とすることもありません。

一方で、成年後見制度を利用する場合は、
後見人の方はあくまでも本人の利益のために財産を管理するため、
家族全員の意思が尊重されるわけではありません。

また不動産の売却をする場合などには家庭裁判所の許可が必要となるため、
後見人が家族の中から選ばれていたとしても
自由に決められる範囲は家族信託よりも少ないと言えるでしょう。

 

③費用面

家族信託は、家族信託契約書を作成するなど、
専門家に手続きをお願いすることがほとんどかと思いますので、
その際の初期費用が一定金額発生します。
託す財産の額にもよりますが、
相場としては30万円~100万円程度であることが多いのではないでしょうか。

初期費用がかかる分、毎月かかる費用はほどんどの場合は0円かと思います。
これは家族の誰かに託すからこそできる内容かと思います。

成年後見制度を使う場合は、初期費用は裁判所に申請する書類手続きの費用がかかります。
書類作成を専門家に依頼するとその分費用が高くなりますが、
15000円から10万円程度でおさますと思います。

逆に成年後見制度は、毎月の費用が発生します。
一般的に管理する財産によって費用が変わり、
月2万円から高い場合で6万円程度であることが多いです。
この毎月の支払いが一生続くことが原則です。

月々の費用が2万円の場合、成年後見開始から1年でお亡くなりになる場合は24万円ですが、10年続く場合は240万円、20年の場合は480万円となります。

どちらが得かはその方の年齢、管理を託す財産の額、
健康面などにもよるので状況によりますが、
特に成年後見の制度は一度開始すると無しにすることが難しいので
慎重に検討することをおススメします。

成年後見制度を選んだ方がよい場合

①家族に財産管理を託せる方がいない場合
②すでに認知症になっており、家族信託契約を結ぶことができない場合

上記のような場合は成年後見制度を選んだ方がよいでしょう。
そもそも認知症や判断能力がない状態になってしまうと、選択することさえできなくなることもあります。

認知症択策は、早く対策をすればするほど多くの選択肢の中から家族にとってよいものを選ぶことができます。

このような専門性の高い手続きについては、
是非、経験値の高い専門化へご相談をおススメしております。

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